連載 保健師のための行政学入門・9
なぜ政策評価をしても劇的な改善はもたらされないのか?
吉岡 京子
1
1東京医科大学医学部看護学科地域看護学
pp.796-800
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200255
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毎年めぐってくる
悩ましい事業評価の時期
地方公共団体の年度末と年度初めは,多忙を極める時期である。さまざまな業務や決裁の「〆め」だけでなく人事異動がある。異動にならなくても担当していた業務が次年度に変更されることがある。このためその年に行ってきた仕事を年度末に評価し,次年度に向けて課題を明確化することが必要になる。この事務事業評価の入力締切を5〜6月頃に設定している組織もあると思うが,担当者レベルの評価は年度末に済ませておくというところも多いだろう。
保健センターで勤務していた当時,私の職場では地区担当制に加えて業務分担制を採っていた。各業務分野の担当者は,年度初めに目標を立てることになっていた。前年度の担当者が大まかな方向性や目標を示してくれている場合が多く,新年度の担当者はおおむねその方向性に則った形で目標を設定するのが慣例だった。そして年度末になると,事業を1年間実施してみてどうだったかを担当者で話し合い,事業評価に取り組むという流れがあった。
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