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特集 血管内イメージングを再考する
IVUSの臨床的意義 予後改善をもたらしたか?
Clinical Usefulness of Intravascular Ultrasound
川崎 雅規
1
Masanori Kawasaki
1
1岐阜大学大学院医学系研究科循環病態学
1Department of Cardiology, Gifu University Graduate School of medicine
pp.612-617
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102253
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はじめに
血管内超音波(IVUS;intravascular ultrasound)の進歩により,冠動脈内腔の大きさのみならず血管壁の情報が得られ,それまで冠動脈造影によって映し出される血管内腔のシルエットだけで評価されていた虚血性心疾患の病態把握は飛躍的に進歩を遂げることとなった.最近では,IVUSは大規模臨床試験における各種薬剤の効果判定にも積極的に用いられ,経皮的冠動脈治療戦略の決定や冠動脈疾患の病態解明などに欠かせない装置となった.さらに,超音波信号を数学的手法で解析し冠動脈プラークの組織性状診断を可能としたintegrated backscatter(IB)IVUSなどの新技術を用いれば,急性冠症候群を発症しやすいプラークの特徴を診断することが可能となった.一方で,これらのイメージング技術は医療コストを上昇させている懸念があることも事実である.
IVUSの有用性を示すには,冠動脈疾患の病態解明のみならず,予後の改善による治療費の軽減にどのように役立つかも示す必要がある.本稿ではIVUSの臨床的有用性と予後の改善のエビデンスを示しながら,今後の展望についても概説したい.
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