特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動
東日本大震災における被災地への保健師派遣と被災者に対する健康支援の現状と課題
畑農 文
1
1厚生労働省健康局総務課保健指導室
pp.938-941
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102283
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当保健指導室(以下,当室)では,過去の災害時にも被災地への保健師の派遣調整を行ってきたが,今回の東日本大震災はこれまでにない甚大な災害であったことから,過去の経験だけでは対処しきれない事態に遭遇し,発災後しばらくの間は,各自治体との調整にかかりきりとなった.
また,被災者の生活環境や健康状態を把握し支援する専門職として,被災地の避難所等での保健師の活動ぶりが注目されるとともに,その活動に対し高い評価を得たと確信しているが,これまでにないほど広域的に長期にわたって被災者支援を行う中で,今後の災害支援のあり方についての課題も浮き彫りとなった.
本稿では,これまでの厚生労働省の保健師派遣のあっせん・調整業務,現地での活動報告の実際と,現時点で認識している課題をまとめてみた.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.