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はじめに
東京都台東区では,介護予防に関する知識の啓発および住民が主体的に介護予防に取り組む地域づくりを目的として,区内に7か所ある地域包括支援センターの管轄地区単位で「地域座談会」を行い,そこで検討した内容を実践する場として,「いきいき若返りまつり」(以下,「まつり」)を年1回実施している。
具体的には,地域座談会は地区担当保健師や区役所・保健所内の関係部署,地域包括支援センターの職員のほか,町会,老人クラブ,民生委員,自主グループの代表者ら,地域における介護予防の実施に関するキーパーソンをメンバー*として,高齢者の健康づくりに関する地域の課題などについて検討を行っている。その議論を踏まえ,当該年度の目的・目標を定め,「まつり」を開催し,終了後に地域座談会でその評価を行い,地域の課題や翌年度に向けた検討を行っている。
2014(平成26)年度で8年目を迎えるこの取り組みは,当初は「まつり」の内容を話し合う場であった地域座談会が,区民とともに地域課題を共有し,課題解決のための検討の場として発展するなど,区民とともに地域づくりを行い,地域力の向上に役立つ活動へと成長しつつある。
本稿では,「保健師ジャーナル」2010(平成22)年3月号で報告した活動1)のその後の取り組みを紹介するとともに,この取り組みが保健師に与えた影響について述べたい。
台東区では区内7か所にある地域包括支援センターの管轄地区単位で「地域座談会」を行い,そこで検討した内容を「いきいき若返りまつり」で実践している。地域座談会で区民とともに地域の共通課題を認識し,まつりを企画・実践することで,地域力の向上につながっている。住民の健康寿命への貢献も視野に入れた,その取り組みを紹介する。
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