特集 子ども虐待予防
[座談会]地域で虐待を予防するには
岩室 紳也
1
,
澤田 敬
2
,
中板 育美
3,6
,
広岡 智子
4
,
彦根 倫子
5,7
1(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
2高知県立中央児童相談所
3国立保健医療科学院公衆衛生看護部
4子どもの虐待防止センター
5神奈川県衛生部保健予防課
6前南多摩保健所
7前厚木保健所
pp.39-46
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100007
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虐待予防の視点
岩室(司会) 「虐待が増えている」「虐待対策は緊急課題だ」と言われていますが,虐待をどう捉え,虐待とどう向き合っていいのかわからないまま,対策だけが進められているような気がしてなりません.今日は,虐待問題に1人ひとりがどう向き合えばいいか,ご提言をいただけることを期待して本座談会を企画しました.まず最初に自己紹介を含めて,虐待とのかかわりについてお願いします.
澤田 私はもともと小児科医で,30年ほど第一線の県立病院に勤めていましたが,高知県では障害児の療育を療育福祉センターに移し,中央児童相談所は虐待と非行の専門機関になりました.そこに医師がいなかったので,寄せてもらいました.小児科医ですから何とか予防をと思って,妊婦からの虐待予防を実践しています.また保育所に出向いて,少しでも心配な親子がいると,事例検討を重ね,保育園の先生に親子介入をしてもらっています.これらは非常に効果があると感じています.
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