調査報告
地域における生後3~4か月の第1子を育児中の母親の初妊婦との交流における体験
真子 春菜
1
,
田口(袴田) 理恵
2
,
小林(渡邉) 奈津子
3
,
秋葉 理江
4
,
河原 智江
5
,
糸井 和佳
6
,
今松 有紀
7
,
臺 有桂
7
,
田髙 悦子
7
1横浜市立大学医学部附属病院
2共立女子大学看護学部地域在宅看護学
3公益財団法人日本心臓血圧研究振興会榊原記念病院
4八千代市健康福祉部
5横浜創英大学看護学部在宅看護学
6帝京科学大学医療科学部看護学科
7横浜市立大学大学院医学研究科地域看護学
pp.814-821
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102250
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要旨
本研究は,地域における生後3~4か月の第1子を育児中の母親と初妊婦との交流が,3~4か月児の母親にとってどのような体験であったかを明らかにすることを目的とした。親子教室における初妊婦との交流に参加した,生後3~4か月児を育児中の母親18名を対象にグループインタビューを実施し,質的帰納的に分析した。
その結果,母親にとって初妊婦との交流は,子どもへの愛情の再確認と,育児の新しい視点の獲得につながることから【育児への活力を得る】体験であり,加えて【少しだけ成長した自分を感じる】体験であることから,産後3~4か月に必要とされる母親としての自信の向上につながる可能性が示された。また,自身の妊娠時の記憶も鮮やかであることから,【初妊婦への仲間意識をもつ】ことができるとともに,出産・育児の経験者として【先輩ママとして初妊婦の力になりたい気持ちが芽生える】体験であった。さらには,交流に参加したほかの母親に自分の気持ちを理解してもらうなかで,【同じ立場の母親同士のつながりの大切さが増す】体験となっていたことから,母親と初妊婦の交流は,地域における子育てニーズの解決に向けた,子をもつ者同士の縦と横のつながりを生む契機となる可能性が示された。
以上より,地域における生後3~4か月の第1子を育児中の母親と初妊婦との交流は,有効な育児支援策となりうることが示唆された。
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