研究・調査・報告
3か月児をもつ父親の育児家事行動と母親の父親に対する期待との関連—育児家事観の観点から
藤原 千惠子
1
,
日隈 ふみ子
2
,
石井 京子
2
1大阪府立看護大学医療技術短期大学部看護学科
2藍野学院短期大学看護学科
pp.527-532
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901731
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はじめに
最近の若い父親は,以前に比べて育児に熱心になってきているといわれている。周囲をみると,子どもの健診に同伴する父親や,子どもを連れて外出している父親などをよくみるようになった。父親の育児参加は,父親自身にとって意味があるが,母親にも大きな影響を与えると思われる。牧野4)は,父親の育児参加が母親の満足感を高め,それが育児不安を軽減していると述べている。大藪ら7)も,母親の育児満足感を規定する要因として父親の育児参加をあげている。また,越6)は,父親の育児参加を母親がどのように受けとめているかが重要であると指摘している。
しかし,父親の育児行動に対する母親の受けとめや満足感は,父親の行動の多さではなく,父親に対して母親がどのような期待(ニード)をもっているかと関連があると思われる。その母親の期待や受けとめには,母親の役割意識つまり育児家事観が根底にあり,重要な要素になっていると考えられる。
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