連載 ニュースウォーク・158
震災,原発事故と「情報」―正確な発信が信頼感を生む
白井 正夫
pp.460-461
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101608
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15年前の冬,三陸海岸にある「田老の防潮堤」を取材したことがある。地面での厚さ25m,高さ10mの見上げるばかりのコンクリート壁は,岬と湾が重なる町にはおよそ似つかわしくない大構築物だった。
「津波太郎」の異名を取る田老町(現,岩手県宮古市田老町)は,1896年(明治29年)と1933年(昭和8年)の三陸大津波で壊滅的な打撃を受けた。集落の900余人が犠牲となった昭和大津波で人々は築堤を決意し,翌年に工事が始まった。
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