研究
乳幼児健診の受診率に影響する要因に関する検討―大阪市A区における妊娠届出時面接等による取り組み
神尾 直佳
1
,
甲田 伸一
1
,
永岡 佐代子
1
,
久冨木 美佳
1
,
櫻井 美佐恵
1
,
田丸 聖美
1
,
谷口 美江
1
,
渡部 麻衣子
1
,
河内 繭子
2
,
秋山 明子
3
,
三上 洋
3
1大阪市西区保健福祉センター
2大阪市天王寺区保健福祉センター
3大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.130-133
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■要旨
本研究の目的は,乳幼児健診の受診率に影響する要因を検討することである。2007(平成19)年4月~2008(平成20)年3月に大阪市A区保健福祉センターの3歳児健診対象者であった587人のうち,転居等の20人を除く567人を調査対象とし,母子管理票の記載事項による調査を行った。乳幼児健診の受診の有無を従属変数とし,妊娠届出時面接および転入時面接による把握事項を独立変数としてt検定,χ2検定,多重ロジスティック回帰分析を行った。
妊娠届出時面接および転入時面接による把握事項のうち,単変量解析で3か月児健診の受診に影響があった項目は,既往疾患の有無,1歳6か月児健診では入籍の有無,父との同居,喫煙の有無,3歳児健診では母と父の年齢,入籍の有無,喫煙の有無,母の就労の有無,妊娠中の治療状況であった。単変量解析で有意であった項目を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析による乳幼児健診に影響する要因は,1歳6か月児健診の受診では妊娠届出時点の喫煙の有無,3歳児健診では父の年齢,入籍の有無,妊娠中の治療状況,妊娠届出時点の喫煙の有無であった。
妊娠届出時面接および転入時面接による把握事項から,乳幼児健診の受診の有無に関連する可能性のある要因の把握できることが示唆されたことで,妊娠届出時等に行っている面接での妊娠中の情報を把握することの重要性が示された。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.