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●気象庁が関東地方の梅雨明け宣言をした後,俗に言う「梅雨明け十日」の天気が今年は長続きせず,梅雨に逆戻り(?)したかのようにしとしと雨が降ったり,真夏の夕立のような雷雨が降ったり,30度台前半なのにやたら蒸し暑い天気になったりしている。全国的には梅雨明けになっていない地域が多く,長雨で浸水や土砂崩れなどの被害にあっている地域もある。10数年前の冷夏で,農作物の成長に影響が出て,米をタイから緊急輸入した年と同じような状態になってきているという。本号が読者の方々の目に触れるころにはどうなっているだろうか。
これは異常だと思ったのは,昨日(7月30日)のこと,地下鉄が終点に到着時に車内で座席に坐ったまま居眠りをしている人がいつもよりかなり多かったことだ。みんなこの異常な天候で身体が疲れているのだな,と思った。ところがその夜は急激に気温が下がり,昼間の熱気がウソのように涼しくなって,久しぶりに夜は冷房を止めた。風邪を引かないように工夫して,さらにインフルエンザへの対策も万全を期したいと思う日々である。(杉之尾)
●大学を卒業し,弊社に入社する直前,「社会人としてやっていけるんだろうか」という漠然とした不安を抱いていました。入社してみると,「Aさんとの人間関係」や「B先生の原稿がもらえない」という具体的に気をもむ事柄は散発的にあっても,曖昧模糊な不安はなくなりました。
感染症は目に見えず広まっていくさまが過度の不安を喚起させ,無理解や理解の偏り,無関心などから過去においてはハンセン病やエイズなどに罹患した方に対して社会的な偏見や差別を生み,今も根強く残っています。
しかし,具体的な発生動向や感染防止の対策を知っておくことで,玉記論文にあったように「適切に恐れる」ことができます。負の歴史を繰り返さないためにも,冷静な対応が求められます。地域のなかで働く保健師も,住民に具体的で正確な情報を伝え,「なんとなく怖い」から「適切に恐れる」対象として新型インフルエンザをはじめとする感染症対策に臨めるように働きかけていく重要な役割を担っています。本特集がその一助となれば幸いです。(長谷川)
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