活動報告
健康づくりボランティアと行政が協働する健康な地域づくり―ヘルスアップサポーターいずみの育成と地域への広がり
鍛治 みか
1
,
濱田 直美
1
,
中山 貴美子
2
1和泉市健康課
2神戸大学大学院保健学研究科
pp.390-395
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101198
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
和泉市は大阪府南部の泉州地域に位置し,面積は84.98km2,東西6.9km,南北18.8kmという細長い地形である。市中央丘陵部における住宅開発が進行しており,人口は年々増加傾向にあり,現在約18万人,高齢化は約16%の比較的若い住民層である。戦前は繊維工業や農業などの一次産業のまちであったが,現在は大阪中心部まで電車で約30分という利便性を生かしたベッドタウンである。また,和泉市は,新旧の住民が混在している地域,1965(昭和40)年以降に開発された住宅地,現在開発中の新興住宅地,旧村地域などのさまざまな特徴をもった地域がある。
和泉市では,2003(平成15)年3月に健康日本21の地方計画「健康都市いずみ21」計画を策定した。そのなかで和泉市では,糖尿病・高血圧・高脂血症(脂質異常症)などの生活習慣病の要医療者,男性の肥満者の割合が高いことや子どもの欠食者が多いなどの健康問題が明らかになった。そこで,「健康都市いずみ」実現のために,健康な地域づくりを住民と行政との協働事業としてとらえ,健康づくりボランティア「ヘルスアップサポーターいずみ(以下,ヘルサポ)」の育成に取り組んでいる。
ヘルサポ育成における目標は,エンパワメントの3領域の状態像として設定した(表1)。事業内容は,①養成講座,②定例会(組織化),③活動支援(地域活動),④スーパーバイズ(スタッフ育成)とし,保健師全員が事業に携わる体制をつくっている。
今回,和泉市における健康づくりボランティアと行政が協働する健康な地域づくりの3年間の取り組みについて報告する。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.