調査報告
労働者の主観的健康感に影響する生活習慣
池田 和子
1
,
中谷 久恵
2
1株式会社島根富士通総務部
2島根大学医学部看護学科
pp.542-547
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101006
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■要旨
電気機器製造企業のトータルヘルスプロモーション(以下,THP)推進に向け,従業員1041人を対象に主観的健康感と生活習慣との関連を明らかにする目的で質問紙調査を実施した。有効回答は18歳から63歳までの871人(男性61.8%,女性38.2%)で,平均年齢は31.1歳(男性30.1歳,女性32.8歳)であった。家族形態は家族と同居が77.6%,単身が22.4%で,同居は女性(85.8%)が男性(72.5%)より多かった(p<0.001)。BMIは男性平均22.0±3.4,女性平均20.9±3.0で,男性は女性に比べ運動,喫煙,飲酒の割合が高かった(p<0.001)。
主観的健康感による健康の自己評価は全体の72.4%が良好な評価をしており,社員と請負・派遣従業員に差はなく,性別・年齢およびBMIにおいても関係はなかったが,家族と同居のほうが単身よりも健康感の評価が高かった(p<0.05)。生活習慣と主観的健康感との関係では,運動の有無だけでは関係がなかったものの,週2回以上の運動習慣がある人(16.5%)は主観的健康感の評価が高かった(p<0.01)。食生活では栄養バランスが“とれている”と回答した人が,“とれていない“人に比べ健康感の評価は高かった(p<0.001)。
これらの結果より,社内でのTHP事業の優先項目として,食事と運動への取り組みを図り,成果が伺えつつある。
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