特集 腎代替療法とShared Decision Making
12.SDM ツールの開発
小坂 志保
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
キーワード:
慢性腎臓病
,
腎代替療法
,
協働意思決定
,
情報提供ツール
Keyword:
慢性腎臓病
,
腎代替療法
,
協働意思決定
,
情報提供ツール
pp.281-287
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001213
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SDM(shared decision making)は幅広い疾患で応用がされており,適切かつ十分な情報提供がその後のoutcome に大きく影響することが明らかになっている.慢性腎臓病患者は腎不全保存期から腎代替療法を経て透析療法・腎移植に至るまで,さまざまな意思決定の場面に遭遇するため,SDM の重要性が叫ばれている.腎疾患におけるSDM については各国で取り組みがされており,DVD やパンフレットなどの情報提供ツールを用いることにより,知識量の増加やストレスの軽減,疾患コントロール感の高まりなどの効果がみられている.本邦で実施されたスマートフォンやタブレットで情報が得られるCKD-SDM app では,血圧の改善や腎機能の維持改善など直接的な効果がみられることが明らかになった.今後は,CKD 全期を通して意思決定支援を支え,なおかつ腎疾患管理に資するツールのさらなる充実と,発展が期待される.
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