調査報告
市民を対象にした健康的にやせる教室
中田 由紀
1
,
村田 浩子
1
,
杉本 多恵子
1
,
坂根 久仁子
1
,
有富 敏子
1
,
坂根 直樹
2
1長岡京市健康推進課
2独立行政法人京都医療センター予防医学研究室
pp.916-921
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100865
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■要旨
本教室の目的は,参加者が体に無理なくやせる方法を実践することと,その結果,参加者が健康的に肥満を改善することとした。教室は,市の広報や個別通知で募集した36~55歳の女性26人を対象とし,グループワーク・食事の試食・講義・運動実践などの内容で6回実施した。集団と個別支援のそれぞれの利点を活かし,個人の自発的な行動を目標に取り組んだ結果,92%の出席率と各数値の改善につながった。
参加者の変化は以下のとおりである。体重は平均5.7kg,BMIは3.2,体脂肪は2.7%,体年齢は4.9歳減少した。ウエストは6.1cm,ヒップは4.1cm減少し,統計的に有意な改善がみられた。総コレステロール値は2.5mg/dl,中性脂肪は19.7mg/dl,LDLコレステロール値は6.3mg/dl減少した。HDLコレステロールは1.8mg/dl増加した。中性脂肪は正常値の範囲内で有意な低下がみられた。
参加者の自覚症状は,教室後に膝痛,腰痛,肩こり,疲れやすいなどが改善し,健康イメージも向上した。行動変容段階は,教室参加前には関心期の参加者が最も多かったが,参加後は実行・維持期が最も多くなった。今後の教室の課題は,参加者が食事・運動などの行動変容を継続することおよび減量した体重を維持できることである。
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