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野菜バリバリ朝食モリモリ!―大阪府が推進する「食育」を通じた健康づくり/大阪府における食育を通じた健康づくりの推進―野菜バリバリ朝食モリモリ食育推進プロジェクト
多門 隆子
1,3
,
中村 清美
2,3
1相愛大学人間発達学部発達栄養学科
2大阪府枚方保健所企画調整課
3前大阪府健康福祉部地域保健福祉室健康づくり感染症課
pp.849-851,904-908
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100864
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大阪府は子どもの野菜摂取量を増やすこと,朝食の欠食をなくことを目標に,食育推進プロジェクトを展開中。「野菜バリバリ朝食モリモリ」を合言葉に,保育所・幼稚園・小学校と家庭,企業,地域が連携した多面的な取り組みを紹介する。
背景
大阪府では昭和40年代頃から平均寿命の伸びが鈍化し,2000(平成12)年の平均寿命は全都道府県中,男性が43位(76.97歳),女性が46位(84.01歳)と非常に悪い状況にある。とくに死因のトップを占める悪性新生物は,ワースト1の状況が続いている。大阪府民の健康を改善するためには,悪性新生物や心疾患などの生活習慣病の予防を強化する必要があり,とくにその発病に大きな影響を及ぼす食生活とたばこ対策が重要となっている。
生活習慣病は野菜と果物の摂取が多いほど発症リスクが低減することが明らかになっているが,大阪府の野菜摂取量は全国平均に比べて少ない。とくに小・中学生の1人1日当たりの野菜摂取量は全国平均の6割,1日に必要な量の約半分に過ぎない(図1)。また,朝食を食べない小学生の割合も,約5人に1人と高い。子どもの頃から野菜の摂取量を増やし,朝食をしっかり食べる健康的な食習慣を身につけることは健康づくりの基本であり,食育を通じた健康づくりが求められていた。
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