連載 感染症Up to Date・84
肺炎球菌ワクチンによる肺炎予防対策の実践
村上 智彦
1
1瀬棚町国民健康保険医科診療所
pp.490-493
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100698
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北海道瀬棚町は渡島半島の日本海側,奥尻島の向かい側に位置する人口約2800人の町であり,日本初の女医荻野吟子が開業した町として知られている。
町の主な産業は漁業,酪農,農業などで,高齢者が人口の28%を占める典型的な過疎の町である。
1999年までは町に公的医療機関がなく,夜間・休日の医療,検診,保健事業などは隣町に依存している状態であったが,1996年に全町民を対象に大規模なアンケートを実施し,その結果として,現在の荻野吟子記念瀬棚町医療センターが2000年6月に完成した。
以前の瀬棚町は,高齢者の医療費が日本一になったという不名誉な記録を持っている。人,物,資金が乏しい過疎地であるからこそ,予防医学の実践が必要であり,その1つの具体例が保健事業として行われた予防接種であった。
ここでは公費助成による肺炎球菌ワクチンの予防接種の町の取り組みについて紹介する。
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