活動報告
旭川市保健所における乳幼児健康相談の現状とその役割
松野郷 有実子
1,2
,
島田 美帆
3
,
水井 真知子
3
,
後藤 良一
3,4
,
武井 明
5,6
,
鈴木 直己
7,8
1旭川市保健所保健指導課母子保健係
2(現)旭川市こども通園センター
3旭川市保健所
4(現)北海道地域医療振興財団
5旭川医科大学保健管理センター
6(現)市立旭川病院精神神経科
7北海道療育園
8(現)豊岡中央病院小児科
pp.466-471
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100693
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はじめに
近年,親と子の心の健康についての関心が高まり,とくに乳幼児期における母親の育児不安や虐待が注目されるようになってきた。乳幼児とその母親の心の健康に取り組むことは,子どもの健全な成長を促進するだけではなく,摂食障害や精神障害1),行為障害2)などの思春期における心の問題の予防にもつながり,きわめて重要な課題であると思われる。
母子保健事業のなかで,育児に困った母親が助けを求めてくる場として,相談活動があげられる。このような相談活動に関しては,保健所や市町村などの公的機関や民間施設から実態が報告されている3,4)。また,電話5~7)や手紙8)による相談活動に関する報告も認められる。しかし,これらの報告の多くは東京を中心とした首都圏や本州の大都市における報告3~5,8)であり,地方都市における報告6,7)はきわめて少ない。
旭川市は人口約36万人の北海道第二の都市で,年間出生数は約3000人,平成12年の出生率は8.2である。旭川市では母子保健における相談事業として,乳幼児とその親を対象に,乳幼児健康相談(以下,子育て相談と略)を実施している。今回われわれは,旭川市における子育て相談に関する活動をまとめ,地方都市における乳幼児を抱えた母親の育児環境の現状について検討した。
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