視点
神戸市における保健所の役割と課題
伊地智 昭浩
1
1神戸市保健所
pp.534-535
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208695
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本稿を書かせていただくのが,ちょうど年度替わりの時期に重なりました.神戸市保健所では平成29年度に少し大きい組織改正がありましたので,その変化も踏まえて保健所の役割や課題を述べます.
まず,組織的な事項です.神戸市は人口約150万人で,9行政区からなり,局部制をとっています.保健所は「保健福祉局」の一つの部として市役所内にありますが,組織上は第1類事業所であり,本庁機能は「保健福祉局健康部」が担っています.そして,保健所の下部組織として,9区役所内に保健センターと全市で5カ所の衛生監視事務所が設置されています.健康増進計画の策定やがん検診,その他の疾病対策は本庁機能として「健康部」が所管していましたが,今年度から計画策定を除いて健康増進関連事業は保健所が所管することになりました.介護保険や特定健診特定保健指導の所管部署は「高齢福祉部」ですが,今年度からは認知症対策や介護予防の一部を保健所が受け持ちます.「障害福祉部」に属していた精神保健福祉センターや精神障害者対策も今年度から保健所所管となりました.母子保健は児童福祉施策とともに,異なる局である「こども家庭局」が所管しています.独立行政法人である市民病院群や救急医療体制,地域医療構想等,市の医療体制に関する事項は「健康部」の所管です.
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