活動報告
「情報コーナー」を活用した未熟児・小児特定疾患罹患児の育児支援
福留 スミ子
1
,
小嶋 博子
1
,
原 真弓
1
,
綾部 早苗
2
,
平野 きよみ
2
1足柄上保健福祉事務所保健福祉課
2元足柄上保健福祉事務所保健福祉課
pp.472-474
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100694
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はじめに
保健所が母子保健分野で担当しているケースは,未熟児や小児特定疾患の罹患児など,長期間のフォローが必要なハイリスク児が中心である。このような事例の多くは,継続的な医療が必要となるなか,さまざまな悩みを抱えており,また虐待のハイリスク群でもある。そのため,小児特定疾患の申請に来所した親などに面接し,病気に対する不安や育児についての悩みなど,相談したいことを確認しながら,精神的支援や情報提供を行ってきた。
しかし,面接指導といっても受容的に傾聴する以外に手段はなく,情報提供するにあたっても断片的な情報になりがちで,担当保健師はもどかしさと限界を感じていた。また,小児特定疾患のなかには,きわめて希少な病気もあり,医療内容や親の会に関する情報が身近にないという声も聞かれた。
そこで,足柄上保健福祉事務所では,親が小児特定疾患の申請する際に情報提供ができる場所として,あらたに情報コーナーを合同庁舎のなかに設置した(写真)。情報コーナーには,一般育児書,小児特定疾患の専門書,親の会の情報,母子の保健福祉関連書籍を置き,保健師はこの場を育児中の親にPRするとともに,積極的に育児支援に活用した。その結果,サービスが住民から見えやすいものとなり,また,保健指導の内容も従来に比べて深みを増すことができたので,今回の取り組みの内容を報告する。
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