海外レポート
オランダ,麻薬中毒者の日々
玉本 英子
1
1アジアプレス・インターナショナル
pp.460-464
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100692
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麻薬の街の中毒者たち
緑と運河の街として知られるアムステルダムは,「麻薬の街」というもうひとつの顔をもつ。中央駅から東に延びるゼーダイク通りには,うつろな目つきで,体を震わせながら歩く麻薬中毒者たちの姿が目につく。中毒者は路上の売人からコカインやヘロインを買い,路地裏で吸引する。警察はたまに売人を捕まえることはあるが,中毒者を逮捕するようなことはまれだ。オランダは麻薬問題にどう取り組んでいるのだろうか。2000年12月から,およそ3年にわたって,私はオランダの麻薬問題を取材してきた。
何人もの友人を介して,私は,ある麻薬中毒の男性フランク(37歳)を紹介してもらった。私は緊張しながら,待ち合わせ場所のアムステルダム中央駅構内のカフェで,彼を待った。
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