特集 自殺予防 年間3万人のいのちを無為にしないために
―自殺予防の実践例③―ボランティアによる自殺志願者への相談―NPO法人東京自殺防止センターの活動
西原 由記子
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1国際ビフレンダーズ日本支部東京自殺防止センター
pp.1178-1180
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100609
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当センターでは,「いま死にたいと思っている」緊急性が高い状態の人や,孤独・不安を抱えている人からの相談を受けています。電話相談が主体ですが,ときには緊急訪問や面接相談もしています。1日のうち10時間,2本の電話に3~5人のボランティアが交代しながら待機し,年中無休で相談に応じています。本来ならば24時間活動しなければいけないのですが,ボランティアの数が不足しているので,夜間を中心に活動しています(20:00~翌6:00)。
電話相談は緊急に対応できる点ですぐれていますが,面接相談もしています。面接時間は9時過ぎから19時の間で,曜日は決めていません。1人の面接に2時間もかかる場合があります。また,夫婦で妻が1時間,そのあと夫婦そろって1時間,合計2時間から2時間半に及ぶ場合もあります。子どもが自殺しそうになっている場合,自殺志願者の許可を得て,家族を招いて面接相談をしています。この場合の面接相談の特徴は,家族間のコミュニケーションへの援助です。
また,遺族へのケアをグループではなく個人面接を行うことが適切な場合には,本人の希望に応じて面接をしています。
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