ニュースレター
自動車排気ガス規制
S
pp.374
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203275
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法制上の経緯
わが国では昭和37年に,大気汚染防止という観点から「ばい煙の排出の規制等に関する法律」が制定されたが,この法律は工場,事業所などから排出されるばい煙や特定有害物質を規制の対象としたもので,自動車排気ガスなどは含まれていない。これは,当時まだ自動車排気ガス中の有害物を除去する方法について技術上の結論が確立していなかったこと。また,このような移動性施設に対してはこの法律に規定した規制方法とは異なる仕組みも考えられることなどのためであった。法律の制定にあたっては,政府は将来自動車排気ガスなどに対処するため技術的研究を強力に推進し,その対策の確立に努めることなどが附帯決議としてなされた。
その後,都市における自動車交通量はますます増加し,交通騒音などの問題と共に排気ガスによる大気汚染も大きな社会問題となった。たまたま,昨年10月,ジョンソン大統領の署名した「大気清浄法」では,1968年型以降の全米の自動車に対して,一酸化炭素,炭化水素の排出基準をもうけるという規制措置がされ,米国を有力な輸出市場としているわが国の自動車産業界に大きな影響を及ぼした。また後述する「自動車排気ガス人体影響調査」の結果も,わが国の自動車排気ガス対策を促進する結果となり,本年3月,閣議の席上で,通産,運輸両省に対して自動車排気ガスの規制措置を講ずるよう指示があった。
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