研究
社会的ひきこもり青年を抱える家族の困難さと支援ニーズに関する研究
天谷 真奈美
1
,
宮地 文子
2
,
高橋 万紀子
3
,
瀬戸岡 祐子
4
1埼玉県立大学保健医療福祉学部
2沖縄県立看護大学
3三芳町環境衛生課
4三芳町精神障害者小規模作業所みよし工房
pp.660-666
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100520
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■要旨
社会的ひきこもり青年を抱える家族16名に対し,青年がひきこもったことをきっかけに家族が感じる困難さと,家族が求めている支援ニーズについて聞き取り調査を行った。
その結果,ひきこもり期間が平均5.6年と長く,家族はひきこもり青年への日々の対応に困難さを感じ,この先の見通しが立たず,将来の経済的不安など多くの困難さを感じている実態が明らかになった。また支援ニーズとしては家族がひきこもり当事者である青年の声を理解し,回復への成功例を参考にしていこうとする問題解決に向けた前向きなニーズと,家族自身の交流や分かちあいなど家族自身がサポートされることへの支援ニーズが明らかになった。
上記から,家族に対しては,ひきこもり青年の社会参加への橋渡し役として地域の保健師とともに協同しパートナーシップを築いて解決に向けて対応することと,家族自身が精神保健相談やピアサポートを活用しながら支えられ感を獲得した後にひきこもり青年と家族の新たな関係性を模索していけるような学習環境を提供することが重要と思われた。
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