調査報告
妊娠中の育児動機と関連する要因について
斉本 美津子
1
1医療法人社団福間産婦人科クリニック
pp.598-602
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100389
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■要旨
妊娠期における育児動機の変化と育児動機に関連する要因を検討するため,130名の妊婦を対象に,妊娠6,8,10か月時の育児動機,育児動機と夫婦関係,母親の認識およびソーシャルサポートについて質問紙調査を行った。
その結果,①母親の育児動機得点は,妊娠6,8,10か月の時点では有意な差は見られなかったが,始終一貫して育児動機得点が10%タイル値以下の妊婦が約1割存在した。②育児動機と正の相関を示した項目は,「妊娠経過に伴う身体的変化と精神的変化を妊婦自身が肯定的にとらえること」「胎児の存在を受容し,育児に対する準備行動ができる」であった。また,夫婦関係がよい場合,育児動機の得点は高い傾向にあった。一方,③育児動機と負の相関を示した項目は,「妊婦が現在何らかのストレスを感じていること」であった。
妊娠期間中の育児動機を高めるためには,妊娠早期から妊婦と関わることが重要であり,かつ妊婦の生活背景,心身の変化および育児動機について把握し,継続的に関わる必要性が示唆された。
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