特集1 看護学生の論文 入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
とけない問いかけ
齊藤 恵子
1
1千葉県衛生短期大学第2学科
pp.642-643
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100330
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1989年8月6日,15歳の息子はわたしの勤務先の病院で息を引き取った。新入学した高校の健康診断の心電図の結果,拡張型心筋症と診断されてからわずか2か月余,入院期間は合わせて3週間だった。
その前日,彼とわたしはベッドに腰かけ,黙って窓の外を眺めていた。ツィーツィと家路に帰る鳥たちが,次第に濃くなっていく紫の空を横切っていくさまをながめつづけた。
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