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ホームヘルパーは中学生?―社会福祉協議会と中学校が連携した全国初の取り組み/高齢者介護を通じて,生徒たちの優しさを育てる―茨城県美野里町が取り組む中学生3級ヘルパー養成講座
石川 美恵子
1
1美野里町社会福祉協議会
pp.181-183,218-221
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100059
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中学生がホームヘルパーになれる?年齢制限はないが前例もない,「中学生を対象とした3級ホームヘルパーの養成」を,茨城県美野里町の社会福祉協議会が行っている。高齢者の受講生と一緒に講義・実習を受け,世代を超えた交流の輪が高齢者介護の現場を支える。
茨城県美野里町が全国で最初に取り組んだ中学生3級ヘルパー養成講座は,大きな反響を呼んだ。実際に事業を実施してみると,驚くほどたくさんの利点があり,その効果は計り知れないものがあることがわかった。生徒たちは講座受講前と受講後で別人のように優しくなり,変わっていく。子どもが変わると,親もまた変わることがわかった。なかには,「孫が3級ヘルパーの資格を取ったので,私も」という祖母まで出てきて,まさに世代を超えた交流の1つになっている。
もともとヘルパーは就労を目的とした資格である。しかし,中学生の3級ヘルパーは1級,2級とは違った意味がある。それは,介護といった切り口をもって弱い人の立場を学ぶことであり,思いやりの心を育てることである。目には見えない「心」を育てるのは難しい。また,思いやりの「心」が育っているのかどうかを評価するのはさらに難しい。
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