特集 地域保健を担う人々
ホームヘルパーと地域保健
田中 荘司
1
1厚生省社会局老人福祉課
pp.394-399
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204870
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わが国に公的な制度としてホームヘルプサービスが社会福祉分野に取り入れられたのは,昭和31年長野県上田市をはじめとする県下数市町村の「家庭養護婦の派遣事業」が最初であった.次いで昭和33年大阪市が民生委員制度40周年記念事業として「臨時家政婦派遣制度」を創設した.
この両市の先駆的地域福祉活動は地域住民,とりわけ病弱老人のケアー・ニーズを満す最良の一方策であると全国の注目のまととなり,その後34年布施市,35年名古屋市,神戸市,秩父市等が家庭奉仕員制度を実施しはじめた.国はこうした地方自治体による居宅老人に対する福祉施策の重要性を高く評価するとともに,広く全国の各自治体が実施できやすいよう,昭和37年国庫補助事業の対象として,その育成,普及に乗り出したわけである.そして同時に今後の家庭奉仕事業はいかにあるべきかを調査研究するため,同年の厚生科学研究費の補助研究の課題を「老人家庭奉仕事業の研究」と決定し研究を行なった.
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