調査報告
市町村に就業する新任保健師の精神的健康状態に関する研究―就職後3か月目,6か月目の追跡調査から
水島 ゆかり
1
,
成瀬 優知
2
1石川県立看護大学看護学部看護学科
2富山大学医学部看護学科
pp.146-151
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100045
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■要旨
市町村に就業する新任保健師の精神的健康状態の経時的変化および影響する要因を明らかにすることを目的として,1999年度に市町村に採用された新任保健師を対象に郵送法による自記式質問紙調査を行った。調査内容は,対象の概要・就業状況および精神的健康度(日本版GHQ30)であった。対象が市町村へ就職後3か月目,6か月目の計2回調査を行い,追跡が可能であった30名を分析の対象とした。分析方法は,精神的健康度の経時的変化についてはpaired-t検定を,影響する要因については二元配置分散分析を行った。
その結果,市町村に就業する新任保健師の精神的健康状態は,就職後3か月目から6か月目にかけて有意な変化はみられず,就職後6か月間は精神的健康状態がよくなかった。また,新任保健師の精神的健康度の経時的変化と関連のみられた要因は,「職歴の有無」「特性不安」「就業自治体」「専任教育担当者の有無」であり,職歴のない者,特性不安の高い者,政令市・市に就業する者,専任教育担当者のいる者は,そうでない者に比べて精神的健康状態がよくなかった。
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