連載 実践に役立つ保健活動の研究技法・5
有用な科学的根拠の収集方法(理論編)
山縣 然太朗
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座
pp.154-157
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100046
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中村流の論文の読み方で,レベルの高いよい論文を見つけたら,緒言と考察をじっくり読むことを私はお勧めする。緒言には研究の現状がコンパクトにまとめられており,極めて簡潔なレビューのようなものであるので,当該論文テーマに未熟な者にとってはありがたい。また,考察は新しい視点から見た斬新な洞察を知ることができ,日進月歩の科学と向き合うときの重要な手がかりを与えてくれる。中村流は,方法と結果を読みながら考察を推察できる上級者向きの「outstanding」な流派である。
さて,今回は有用な科学的根拠の収集にあたっての考え方を解説する。前回の中村先生の講義では,何がどこまでわかっているのかを知るために,論文の読み方が指南された。今回は,読んだ論文から何がどこまでわかっていると言ってよいか,すなわち,その研究がどの程度信頼できる科学的な根拠を与えてくれるのか,ということについて解説する。
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