調査報告
「健康日本21」の目標値設定に関する現状把握
國澤 尚子
1
,
川島 美知子
1
,
若林 チヒロ
1
,
新村 洋未
1
,
萱場 一則
1
,
三浦 宜彦
1
,
柳川 洋
2
1埼玉県立大学保健医療福祉学部
2埼玉県立大学
pp.140-145
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100044
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■要旨
2003年6月に全国3207か所の市町村に対して実施した地方計画の目標値に関する調査のなかから,地方計画に含まれている割合が高かった栄養・食生活に関する項目(「適正体重を維持している人の割合」「脂肪エネルギー比」「食塩の摂取量」「野菜の摂取量」「牛乳・乳製品の摂取量」の5項目)と身体活動・運動に関する項目(「運動を心がけている人の割合」「日常生活における1日の歩数」「運動習慣のある人の割合」「外出に積極的な態度をもつ人の割合」「地方活動を実施している人の割合」の5項目)を取り上げて,目標値と現状について分析した。
栄養・食生活では,現状を把握している項目として「適正体重を維持している人の割合」をあげた市町村が最も多く,次いで「食塩の摂取量」「野菜の摂取量」「牛乳・乳製品の摂取量」の順であった。目標値の設定すみの市町村は,どの項目も現状把握の割合に比べて2分の1程度であった。各項目とも,目標値の設定は「健康日本21」で示された内容のどこに着目したかによって異なっている。
身体活動・運動については,現状把握している項目として「運動習慣のある人の割合」をあげた市町村が最も多く,次いで「運動を心がけている人の割合」「地域活動を実施している人の割合」「外出に積極的な態度をもつ人の割合」の順であった。全体的に現状把握はしているが目標値を設定できていない市町村が多い。目標値に到達するための方策について,国からのサポートが望まれていることが示唆された。
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