連載 看護史・ナイチンゲールに関する単行書・13
邦文ナイチンゲール伝(2)
長門谷 洋治
1
1日本生命済生会付属日生病院
pp.48-51
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908908
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〔D-4〕リットン・ストレーチイ著,岩崎民平訳:ナイティンゲール評伝,東京,実業之日本社,昭和14年
〔C-1〕Lytton Strachey,岩崎民平解説注訳:Florence Nightingale,東京,研究社,昭和27年
前者はB6,判126ページ。巻頭にナイチンゲール(以下FN)像1を入れる。当時の定価80銭。後者は新書判で『研究社小英文叢書』の1冊。126ページ。巻頭にFN像(前者と同じもの)をおく。初版は昭和27年であるが,すでに同じ岩崎氏により,戦前『研究社小英文学叢書』中に注訳を施したものが出されている。昭和43年に27版を発行している。定価220円で現在も入手容易。
ここで岩崎氏の文により本書についての知識を得よう。本書はLytton Strachey(1880-1932)の作『著名なるビクトリア朝人』(Eminent Victorians)(1918)の中の1篇,Florence Nightingaleの全文である。Stracheyは伝記作家で,その原著ではビクトリア朝から宗教家,教育家,活動家,冒険家各1人を選んで記しているのであるが,FNはこのうち活動家としてあげられている。本原著の出版は伝記文学に新生命を吹きこんだものとして,英国で圧倒的な歓迎を受けたが,なかでもFNの再評価はもっとも世人を驚かしたという。
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