連載 看護史・ナイチンゲールに関する単行書・12
邦文ナイチンゲール伝(1)
長門谷 洋治
1
1日本生命済生会付属日生病院
pp.56-59
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906234
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ナイチンゲール(Florence Nightingale 1820-1910)は,いまさらいうまでもないことながら,ことに看護史において特別の意味をもっている。その名は義務教育を受けたものならだれでも知っているといってよい。ナイチンゲールの存在はあまりにも大きく,つねに新しく,われわれが彼女から学びとらねばならぬものはまだまだ多い。実にナイチンゲールこそは,われわれにとって永久の課題であり,巨象のごとくわれわれの前に厳然とそびえたっているといえよう。“いまさらナイチンゲールでもあるまい”と反発を示す人もあるかもしれないが,その人が本当にナイチンゲールを知っているかどうか,問いたいと思う。
ナイチンゲールの伝記,研究は内外ともに無数といってもよいであろう。そのひとつひとつを紹介することは到底個人のなし得るところではない。ここでは筆者の眼にふれたナイチンゲール伝のいくつかを紹介して,彼女の一端をえがきたいと思う。なお文中は原則としてナイチンゲールをFNと略した。
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