連載 看護史・ナイチンゲールに関する単行書・10
邦文看護史書(4)
長門谷 洋治
1
1日本生命済生会付属日生病院
pp.26-29
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906198
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〔B-19〕グラディス・セリュー,C. J. ヌエッセ:看護史,東京,極東学芸通信出版社,昭和24年
昭和24年,わが国の看護界はその前年に制定された保健婦助産婦看護婦法に対する希望と不安がうずまくなかに,国際看護協会への再加入が行なわれるなど大きな展開をみせつつあった。看護史についての関心もようやく高まってきたのか,同年5月には井上なつゑ氏の『看護史』〔B-9〕,6月には中里龍瑛氏の『日本看護史』〔B-2〕があいついで公表された。ただしこれらはともに教科書として編されたもので,そのうえ1冊の本として独立したものでない。ところがこれらに先立つ同年2月『看護史』と題する堂々たる一書が市販された。これがここで述べようとするセリュー・ヌエッセ両氏の翻訳書である。
本書はその後再版されているところをみてもかなり読まれたようである。A5判,571ページの大冊で,図・写真74を入れる。索引もあり,初版時の定価は330円。巻頭に原著のタイトルページが示されているが,これによれば原題は『AHistory of Nursing』で1946年(昭和24年)の出版。著者はGladys Sellew,C. J. Nusseの両人で,前者はセントキャサリン大学(ミネソタ州,セントポール)看護学科長,後者はアメリカ・カトリック大学(ワシントン)社会学科教授で,前者は看護婦である。出版社はモスビイ社(The C. V. Mosby Comp.)。
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