連載 看護史・ナイチンゲールに関する単行書・6
邦文看護史書(3)
長門谷 洋治
1
1日本生命済生会付属日生病院
pp.84-87
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906145
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個々の内容とその評価
〔B-14〕厚生省医務局編:日本看護制度史年表,東京,厚生省医務局,昭和35年
A5判70ページ,アート4ページ。巻頭に厚生省医務局長川上六馬氏の序,厚生省医務局医事課長江間時彦氏の序,および厚生省医務局看護参事官金子光氏の“看護制度史年表の刊行にあたって”なる文がある。これらは本書成立の事情はほぼ以下のごとくである。わが国における看護・助産の歴史は比較的古いのにかかわらず,従前これを集大成したものがなかった。今回,各都道府県関係者,看護関係学校・養成所,医事史研究家の協力を得て,明治元年の太政官布告にはじまり,昭和23年の保健婦助産婦看護婦法制定までの,保健婦・助産婦・看護婦の身分および業務に対する規約など,その制度に関する部分を,年表形式にまとめた。地域的に樺太,朝鮮琉球,台湾までを含めたが,時代的には資料のアンバランスがあり,ことに大正年間が割合少なかった。本書へんさんにあたっては石原明氏の指導と,山崎佐博士の助言を得た。年表形式をとったのは今後の修正,訂正が容易なためで,一層充実したものにしていきたい。
筆者はまず厚生省が,看護制度史をまとめようとしたその意欲をまず買いたいと思う。看護行政の中心である厚生省がこの仕事に手をつけるのは当然であるといえば,それまでであるが,現在の官庁はその当然のことがなかなかできないのである。
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