Guide for Teachers 学生に患者を受け持たせる場合の指導
実習指導のポイント
足達 さだ子
1
,
鮫島 康子
2
1日赤中央病院内科
2日赤短大
pp.27-31
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908804
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はじめに
このたび,いただいたテーマをよくかみしめてみますと,つまり「臨床指導の実際の具体例を展開すること」であると解釈しました。そこで本来ならば“臨床指導の目標”また“臨床実習の目標”などを,はじめにかかげるべきであったかもしれませんが,これらはすでに多くの本あるいは雑誌などに掲載されておりますので,ここでは省略させていただくことにしました。
臨床場での指導ポイントを,このような平面的な紙の上にくりひろげることは非常にむずかしい問題のように思えます。なぜならば,全く同じ疾病を持つ患者についての指導を行なうにしても,受け持った学生の学的’技術的な能力背景,患者の人間的側面の背景,実習場所の環境など各々の中にあらゆる場合があって,これらの間に無数の組会わせが生じ,指導の場とか機会,つまり指導のポイントの上にもかなりの“ずれ”を予期せねばならないからです。さりとてここに掲載することに決定した患者の一部始終を映画のスクリーンの面に公開するように立体的に展開することも不可能といえましょう。そこで,患者を受けもたせた後,これだけの点について臨床場で学ばせるといった抽象的な指導ポイントを掲げ,これにそって以下に述べる症例の中から具体例を掲げ,各々の指導の場所とか,その技術について書き加えてゆくことにしました。
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