調査報告 教師教育と教員の職務
「教師教育」と「教員の職務」との関連についての調査研究—とくに看護教員の場合
浜田 悦子
1
,
稲岡 文昭
1
,
樋口 康子
1
,
森 まさ子
1
,
望月 厚志
2
,
辻 功
3
,
真野 宮雄
3
1日本赤十字看護大学
2武蔵大学人文学部
3筑波大学教育学系
pp.851-867
発行日 1988年12月25日
Published Date 1988/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908605
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看護教員と看護教師教育
問題の提起
今日,わが国をはじめ各国における教育改革の進行において,教員の資質向上への要望とそのための教師教育の拡充整備は,教育の多様化,高度化への要請に伴って,ますます重要な課題となっている.とくに,現代社会における専門職としての教師の資質向上を図るためには,就職前の養成教育だけではなく,就職後も継続して行なわれる教育(現職教育,あるいは現任教育)の充実が要請される.しかも,この両者は一貫して統合的に捉えられるべきものとされることから,「教員養成」よりも「教師教育」の方が適切といわれるのである.
現在,わが国をはじめ各国における教育改革は,21世紀社会の到来を控えて,さまざまな教育分野にも拡大されつつあり,とりわけ教師教育の改革がますます注目されてきている.しかし,従来その対象は主に小学校・中学校・高等学校の教員で,しかも,義務教育あるいは伝統的な主要教科の分野に限られる傾向が強く,その他の分野の教員についての検討は必ずしも充分とはいえない.とくに,専門職としての看護婦を育成すべき看護教育の分野については,未解決な課題があまりにも多い.
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