教材研究
学生の生命観を育成するために—看護学総論「看護の対象」に生命についての主題を位置づけて
上林 順子
1
1社会保険京都看護専門学校
pp.538-545
発行日 1988年9月25日
Published Date 1988/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908547
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はじめに
看護の対象である人間を認識する前提に,生命が論じられなければならない.その第1の理由は,生命を通して人間の本質を探ることは,人間の価値と尊厳の認識を容易にし,人間にとっての看護の意味を明確化すると考えるからである,第2に,この生命の理解を基盤とする人間の尊厳についての価値づけは,学生が学習体験を通して,早期に内在化すべき重要な課題である.第3には,今日の科学技術の進歩に伴う生命倫理を学ぶ必要性があることである.
こうした社会背景の中で,看護者自身の生命に対するものの見方,考え方が問われているのである.看護の質は,看護者自身の生命観,人間観にかかっているといっても過言ではない.
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