特集 看護基礎技術教育
文献から見た「看護技術」の授業の現況と今後の課題
遠藤 恵美子
1
,
佐藤 みつ子
1
1東京都立医療技術短期大学
pp.271-279
発行日 1988年5月25日
Published Date 1988/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908508
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はじめに
「看護学総論」の科目である「看護技術」は,いわゆる旧カリキュラムの「看護原理及び実際」に含まれていた当時から,専任教員が多大の時間と労力を投じて担当してきた科目である.それにもかかわらず,「看護技術」の授業のあり方に関する研究はかならずしも活発ではなかった.
しかし,近年になって「看護技術」の授業での教育内容,方法,評価などに関する実践報告や研究が誌上にみられるようになり,この科目で何を,どう教えるか,ということへの関心が高まってきていると思われる.その理由としては種々考えられるが,ひとつには教育界全体の新しい動きの中で,看護教育のなかにも教授—学習に関する理論が導入され,専任教員がそれらを受け入れ新しい試みを始めたことや,教育機器が看護学校に次第に整備されてきていることがある.また,医療の場の複雑化に反比例するかたちで,教育の場では「基礎的な」あるいは「基本的な」部分の習得が強調され,教育内容の精選が求められたことや,毎年入学してくる看護学生のレディネスの変化から,指導方法の工夫が余儀なくされていることなどもある.
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