特集 医療のパフォーマンス評価
クリニカル・インディケータ活用の現況と今後の課題
梅里 良正
1
1日本大学医学部社会医学講座医療管理学部門
pp.540-543
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100330
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近年の医療制度改革の方向をみると,その一つの柱として医療施設情報の開示を促進し,患者による施設選択の拡大を図ることが掲げられ,具体的に広告規制の緩和が推進されている.しかしながら,現状の規制緩和の対象からは見送られた「死亡率」に代表されるように,医療施設の診療機能を適切に表す情報を厳密に定義づけることは必ずしも容易ではなく,これらの指標は算定の仕方によって高くも低くもなり得ることには留意しておく必要がある.
日本医療機能評価機構の行う病院機能評価の評価項目では,医療の質を評価する統計の作成(評価項目 1.5.2.3),クリニカル・インディケータ(以下 CI と表示)の設定と質改善への活用(評価項目 4.1.7.4)などが求められており,医療の現場においても,自院の診療機能を継続的に評価し,その改善・向上を図ることの重要性が次第に認識されつつあるように思われる.
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