研究 学生の事例研究
ケース・スタディを指導して
野々村 典子
1,2
,
米田 万里子
3
1北里学園(北里大学病院)
2前:東京都立公衆衛生看護専門学校
3東京都立公衆衛生看護専門学校
pp.653-657
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908435
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はじめに
毎年,卒業期に行われる看護研究発表会で一人ひとりの学生の発表を聞きながら胸を熱くする.それは学生の成長に対してであり,学生の限りない可能性に対してである.ここに紹介する米田さんはHさんのケース・スタディを発表した.ある時は恐れずに十分に患者を受容し依存させることも大切であり,自立したい気持ちと依存したい気持ちが共存していることをとらえながら,温かく支援することが援助の第一歩である,と文献を使いながら実感を込めて述べている.
いつもご主人に付き添われ頼りきった様子で静臥していたHさんの姿が目に浮かぶ.Hさんをひたむきに支えていた米田さん,化学療法の再開とともに,依存と甘えが強くなったHさんに戸惑う実習中の米田さんと重ねあわせながら,看護者としての自分自身を思い出していた.
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