連載 ケーススタディー めまい・難聴
ケーススタディー〔10〕
片岡 敏
1
1金沢医科大学神経内科
pp.989-995
発行日 1995年10月20日
Published Date 1995/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901228
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はじめに
後頭蓋窩の脳血管障害ではめまいは主な症状の1つであり,しばしば急激に出現する回転性めまいや体動揺感として自覚される。これらの症状は椎骨脳底動脈系の血管障害の前駆症状や初発症状として出現することが多く,引き続いて起こる急速な意識障害,四肢麻痺や運動失調などの小脳脳幹の機能障害を示唆する重要な症候である。最近,画像診断法の発達により後頭蓋窩の虚血性病変の早期診断が可能となり神経症候と脳幹小脳病変との対比がなされ,より詳細に血管障害が理解されるようになった。本稿ではめまいを訴える患者を例にとって,めまいの原因となる小脳と脳幹の虚血性脳血管障害の診断と治療について概説する。
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