特集 ‘死’と看護教育
—講演(第59回医学書院看護学セミナーより)—臨死患者・家族に対する看護実習と学生への対応
小島 操子
1
1聖路加看護大学
pp.151-163
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908209
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初めに,私がこのテーマを選んだ理由を,お話します.医学の進歩,文明の発展に伴って,臓器移植とか脳死の問題 尊厳死,そして最近はWHOでも“クオリティ・オブ・ライフ”,生命の質ということが問われるようになって,死の教育,死の臨床,死の看護教育ということが盛んに叫ばれるようになってきました.
私は11年間臨床におりました.その11年のうちの後半は臨床指導をしておりました.また,教育に移ってからも臨床の場で指導を重ねているなかで,学生が実習中に突然,患者の死に出会うことがありました.その場合,患者の死についての準備のない指導者である私は混乱し,学生はその混乱している者に指導を受けるわけですから,冷静でいられるはずがなく,両方とも混乱してしまうわけです.
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