教育人間学の探求・4
子供の心と体
伊藤 順康
1
1東京理科大学
pp.250-254
発行日 1982年4月25日
Published Date 1982/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907674
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子供の体の発達
前稿においては,1960年年代以降の教育界の動きを大まかにたどりつつ,学びの喪失という現象がきわめて普遍的なものとなってきたことをみた.今回は話をもう少し先に進め,学びの問題だけでなく,広い意味での身体の問題,人間形成の問題をみていくことにしょう.
時期を特定することはできないが,1960年代末か,あるいは70年代に入るころから,子供の体がおかしくなってきつつあるのではないか,という指摘が目立つようになった.それ以前からも,子供たちの手足が不器用になってきた,例えばナイフで鉛筆を削れない,などの指摘もあったけれども,もう少し深刻な形で子供の体の問題がクローズアップされるようになった.
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