特集 活動を見直し,活動を築き上げる
第14回自治体に働く保健婦のつどい集録
基礎講座
子供の体をみなおす
大島 紀玖夫
1
1上矢作病院
pp.576-593
発行日 1982年7月10日
Published Date 1982/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206544
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司会 私たちは地域活動の中で子供の体の問題をいろいろ感じていますが,保健所や市町村の健診などの中では早期発見,早期療育のところに主点があって子供の全体像をみれていないのが現状だと思います。
昨日私は"学校保健と地域保健"という分科会に出ましたが,その中で助言者の坂本先生が指摘されていた事例で,母親が清潔だとか体の健康にはとても気をつけて育てている子供のことです。4年生だそうですが,ケガをして血が出ていてもふいてなすっているだけということです。そこで先生が「あなたはもっと痛くなって,だれかに助けてと大声で言える?」と聞いたら,「わからない」と言ったそうです。成績がとてもよくて,小さいときは何も問題がなかったけれども,けがをしてもふいてなするしかできないおかしさが問題だと先生は言われています。私たちが保健婦の段階でみている小さい子供の感じるおかしさと,もっと大きくなって学童のところで感じるおかしさとの若干の差を感じさせられました。
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