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母性看護実習の一展開(3)—産婦の看護実習について
矢本 美子
1
,
日隈 ふみ子
1
1福井県立短期大学看護学科
pp.753-760
発行日 1980年12月25日
Published Date 1980/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907500
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はじめに
学生にとって,陣痛に伴う苦しみをもろに表現する産婦の看護実習では,その場に居合わすことのできないつらさを味わうこともあり,学生自身が産婦の訴える痛みを和らげる効果的なかかわりのできない無力さを感じることもあって,教師や助産婦の相当な助力を受けなければ,看護行為としての実践が難しいようである.
分娩第2期・第3期など,講義を通してその時間的な経過も学んではいるものの,産婦の声や血の色,においなどを伴いながらの進行の速さや,学生なりに描きあげていた新生児と,娩出されてくる児(児頭娩出)や娩出された直後の新生児のくい違いに対する驚きのため,また,ケアが手早くなされるために単に‘見た’だけにとどまってしまう傾向を認めている.
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