特集 病院と学生教育―地域で育てる医療人
地域枠学生をどのように育てるのか
阿波谷 敏英
1
1高知大学医学部 家庭医療学講座/教育研究部医学教育部門
キーワード:
地域枠
,
奨学金
,
キャリア形成
,
地域基盤型医学教育
Keyword:
地域枠
,
奨学金
,
キャリア形成
,
地域基盤型医学教育
pp.618-622
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102324
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いわゆる地域医療崩壊を受け,わが国は2008年度より医師養成数の増員に舵をきった.7625人(2007年度)であった医学部入学定員を毎年のように見直し,8991人(2012年度)まで増員している.この増員分の多くは「地域枠」として,卒業後に地域医療に貢献することを約束したものであり,全国63大学で1188人(2012年度)の地域枠が設定されている.
地域枠により地域志向性の高い学生を選抜することは,医師不足地域の医師増加策として有効である1,2).しかし,地域医療の問題は単に地域枠を設定すれば解決するような単純なものではない.地域枠学生をどのように育てていくのかは非常に重要な課題である.本稿では,高知大学(以下,本学)の事例を提示しながら,その取り組みの意義,将来像について触れる.
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