私の発言
精神科看護教育に望むこと—病院医療の立場から
鴇田 元夫
1
1長野県立駒ヶ根病院
pp.1-6
発行日 1979年1月25日
Published Date 1979/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907295
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精神医療は向精神薬の開発により,急速に進歩した.これと同時に,精神医療に内在した問題点や矛盾が一挙に表面化し,そのために,一時は精神医療全体が方向性を見失ってしまうほどひどく混迷した.これは言わば,精神医療の歴史的発展経過の中に生じたゆがみといったものであるから,徐々に平静化しつつある現在でも,その根源は根深く残っていて,十分解決したわけではない.いまだに解決の方向を模索している状態にある.
いずれにせよ,いま精神医療にとって必要なことは,真の精神医療とは何かを自らに問い直しつつ,日常の地道な実践を続け,その中で得られた大切なものを拾いあげることではないかと思う.
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