特集 ボランティアと病院—開かれた病院づくり
病院ボランティア団体の歩みと今日の課題—病院ボランティアの立場からボランティアに望むこと,病院に望むこと
岡本 田鶴子
1
,
関東地区病院ボランティアの会運営委員会
1日本病院ボランティア協会
pp.173-179
発行日 1995年2月1日
Published Date 1995/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901445
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創立20周年の節目に立って
病院にボランティアは必要か
この見出しは実は『病院』第46巻2号(1987年2月号)特集「病院におけるボランティア・ワーク」の中の座談会の表題を,そのまま拝借した.それというのも今回この原稿を依頼されて,7年前の特集を改めて見直し,現状・問題点・未来像など,そのまま今日の課題として取り上げてもおかしくないご指摘・論点が多々あることに驚いたからである.
病院ボランティア活動が7年間で一向に進歩していないのか,と憂うるべきであろうか.というよりも,むしろ当時この誌面を飾った方々の先見性を讃えたいと思う.病院側もボランティア側も,当時としては病院ボランティア活動の模範生というか,先駆者として,正しい認識をもって活動しておられた方々のご発言であった.当時の数少ない模範生が,今日ではごく平均的なもの,つまり病院ボランティアの均質化が7年間の変化といえば言えるのであろう.せっかく発足しても挫折し,生まれては消えていた時代から,確かな理念と,周到な準備の後に,しっかりと地に足を付けた活動へと変化しつつある.
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