特集 産婦人科薬物療法の基礎知識
薬学の立場から臨床医に望む
高木 敬次郎
1,2
,
福室 憲治
2
Keijiro Takagi
1,2
,
Kenji Fukumuro
2
1東京大学薬学部
2東京大学医学部付属病院薬剤部
pp.937-945
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204698
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I.処方せんの記載と産婦人科領域の医薬品
実地臨床における薬物療法は疾病治療上重要な意義を有し,今日科学の進歩に伴ないその内容も複雑化してきていることは衆知の事実である。
患者に対する具体的な薬物療法は処方せんによつて指示されるが,この処方せんには,法令により,患者氏名,年齢,薬名,分量,用法,用量,発行年月日,使用期間,診療機関名および所在地を記載し記名押印または署名することが義務づけられている(医師法施行規則第21条)。麻薬処方せんの場合には上記のほか,患者住所,施用者免許証の番号および記名押印が必要である(麻薬取締法第27条第4項)。一方調剤する薬剤師は,処方せんに疑義のあるときは医師に問い合せて確かめた後でなければ調剤してはならないこと(薬剤師法第24条)および調剤された薬剤について,その容器,被包に患者氏名,用法用量などを表示すること(薬剤師法第25条)が義務づけられている。薬物療法を実施するにあたり,処方を考案し処方せんに記載することとなるが,記載事項の中心は,患者の状態に最も適した医薬品の選択,用量,用法,投与期間であろう。
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