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精神科病棟における個別的指導の展開
津島 律
1
,
鳴海 和子
1
,
中島 千秋
2
1弘前大学教育学部看護学科教室
2青森県警察本部
pp.355-365
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907219
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看護の向上をめざして,個々の患者の看護が追求されるとの同じように,教育の場においても看護教育の向上をめざして,学生個人へもっと目が向けられてもよいのではないだろうか.ひとりひとりの持つ可能性をできる限り高め現実化してゆくことは,教育の基本的なことであると多くの人たちは述べている.学生数が,多いこともあって,ともすれば集団への注目が強調され,‘個’の追求は,あまり価値がないかのように思われがちである.しかし,個々の事例が表してくれる現実には,普遍性があるように思えてならない.
妄想があり,何もしようとしないひとりの精神分裂病患者を,学生とともに受け持ち,かつ実習指導を行った期間のなかで,学生は何を学び,患者はどのような変容性を示したかを述べ,患者と看護者である学生との関係を考えながら,精神疾患患者を受け持った学生への指導のあり方を考えてみたい.
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